2015年06月29日

XTC - Living Through Another Cuba

また キューバ危機がやってきた
1961年の再燃だ 俺たちまた板ばさみさ

また この危機を切り抜けなくちゃ
戦争がドラムを磨いて主役 平和がフィドルを弾いて脇役さ

また キューバ危機がやってきた
ソ連とアメリカの対立が頂点に達している
まあ 泣くなよ

また この危機を切り抜けなくちゃ
ただ ひざまづいて祈るんだ まだ生きてるうちに
死ぬ覚悟をするんだ

また キューバ危機だ!

また キューバ危機がやってきた
俺たちブルドッグはフェンスに座り込む
奴らは俺たちの頭上でテニスマッチをしてる

また この危機を切り抜けなくちゃ
ほとんど引き分けにはならない そのうち誰かが
激怒するか 死ぬだけ

また キューバ危機がやってきた
早く水に油をかけろ
どこからだっていいんだ

また この危機を切り抜けなくちゃ
愛してる 愛してない
奴が原子力爆弾の安定板を引っぱろうとする

また キューバ危機だ!

また キューバ危機がやってきた

これは20年程毎に再来する現象だ

また この危機を切り抜けなくちゃ
両国共に気をつけてないと 放射能の光を発するのは
きみの腕時計だけでなくなる

また キューバ危機がやってきた
耳に指を突っ込んで
手遅れになる前に奴らが仲直りすることを祈ろう

また この危機を切り抜けなくちゃ
この運命をなんとかうまく切り抜ければ
次回の危機は…1998年の予定

また キューバ危機だ!

Oh,oh,oh,oh,oh....

また キューバ危機だ
どうにか切り抜けなくちゃ

日曜の新聞のカラー版に俺の死体写真が載るかも!

アドリブ全部言い尽くしたよ! アハハハ…

キューバ キューバ キューバ バ バ バ…!
*Living Through Another Cuba: "We are living through another cuban missile crisis"の略。
*キューバ危機(The Cuban Missile Crisis):1962年10月15日から13日間に渡って、キューバを挟んで、米ソ間の冷戦の緊張が核戦争寸前まで達した危機的な状況のこと。"
*bulldog:立場的に両国の間に挟まれたイギリス。
posted by Miko at 11:38| ニューヨーク ☁| XTC - Black Sea (1980) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月01日

アンディがTravel In Nihilonについて語る1「パンクムーブメントの渦中で愚かにも音楽の民主化だ!新時代の始まりだ!と思った。すぐにまやかしだったと気付いたその深い失望を歌ったのがこの曲」「ピストルズはふざけて楽しんでたからいいが。クラッシュは...」

アンディ・パートリッジがTravel In Nihilonについて語るPART1
「パンクムーブメントの渦中でこれこそが現代の音楽のターニングポイントだ!誰でも音楽が作れる時が来たのだ。民主化だ!新時代の始まりだ!と思った。でもそれもすぐにまやかしだったと気付いた。己の楽観主義に翻弄されたのはそれが最後だった。その深い失望を歌ったのがこの曲」

Sunday, June 29, 2008
Andy discusses 'Travels in Nihilon
http://chalkhills.org/articles/XTCFans20080629.html

AP:タイトルは70年代半ばに買ったアラン・シリトーによる本のタイトルから頂戴しました。すごく良い本ですが、曲はその本には関係ないです。ペテンについての歌ですよ。巨悪なポップカルチャーのペテン、宗教のペテンです。

この本から二つお借りしたものがある。実際のTravels In Nihilonというタイトルと、President Nilをオレンジズアンドレモンズのアルバムに使いました。(Here Come President Kills Again)

TB:そういう気持ちになったのは何故?何か恨みを、あるいは裏切りを感じていたのでしょう?

AP:ちょうどあのパンク/ニューウェーブムーブメントにすっかり飲み込まれてしまう年齢にあったんですね。愚かにも「おい、もしかしたらこれが現代の音楽のターニングポイントとなるのかもしれないぞ。もしかしたら、これこそが真の意味で誰でも平等に音楽に関わることが出来るムーブメントなのかもしれない」って思ってしまったんです。

民主化だ!というか革命的な新時代の始まりだ!みたいな。やりたい者はどんな奴でも音楽を作れる。そこには先入観など無いし、偉大なミュージシャンである必要もない。ファッションなんかもギョッとするようなのになって。だってどんなかっこしても良いんだからと思ったんですね。

それが己の楽観主義に実に翻弄されてしまう最後だったと思います。

ムーブメントの楽観主義の話ではないんです。人生で自分の楽観主義がこれらの新しい可能性に映し出される時期だったんです。 バンドがやっと軌道に乗り始めて、僕個人にとって世界は良い方向へと向かっていた。こいつらこそが俺の仲間なのかもなって感じさせてくれるムーブメントを体験していたわけですよ。

ところが、あっと言う間に、このムーブメントが以前と全く同じ目的に利用され始めたんですよ!昔と変わらないお決まりの"おまえらにあほな洋服を売ってやるよ"ってやつ。パンクというのは自分で服を作るってことだったろ。ところが、それがすぐにちゃんと流行の服を身に着けないといけないことになってしまっていた。しかも、高価な服。

あの頃は偽物臭い政治色濃いバンドがうじゃうじゃいたんですね。だからクラッシュは受け付けなかった。彼等の政治的主張がまやかしに思えたんです。一方、セックス・ピストルズの場合はただふざけて楽しんでたからまし。クラッシュは見せかけの粗野な政治的主張で全く受け付けられなかったんです。それより、むしろラモーンズのようなもっとこうハプニングか何かみたいなバンドの方が好きですね。言い方変だけどわかってくれますよね?

だから、あのムーブメントというのに飲み込まれたものの、その後、すぐに実はこれは酷い皮肉であり、結局、古いものを新しいものに変えるはずが、実際にやっていることは前とまったく変わらなかったことに気付いたんですよ。あまりにも業界が関与し過ぎたわけ。あまりにニセっぽくて、あまりにコントロールされ過ぎ。過剰に商業主義に走ってしまったんです。

TB: それを聞いて、"皮肉屋とは失望した空想家”という古い諺を思い出しました。

AP:(笑)そう、それ!初めて聞いたけど全くその通り。

TB:歌詞を読むと、特に最後のヴァ―スの部分ですが、何らかの解決はないのでしょうか?それとも、意図的に結論は任せると?

(最後のヴァースの歌詞)
結局、何の教訓も学ばなかったんだね
せっかく正そうとした年月
約束というフラッシュは
ストロボより先に消えた

AP:そう、わざと結論は出していない。あれは深い失望の歌です。圧迫感があるんです。サウンド自体圧迫感を表現したかったんです。出ていますよね。今までレコーディングした中でも最も暗い曲だと思います(笑)。"Tomorrow Never Knows"のネガティブ版みたいな感じ。でも、明日は知っているわけ。もっといんちきな事に遭遇するって事を!警戒しなくてはならないわけ。レコーディングした中では一番暗い曲であることは確かですよ。そればかりか、坊さんのループまで入れてある(低音の喉音)。
(PART2へ続く)



XTC - Travels In Nihilon
(対訳:MIKO)

結局、何の教訓も学ばなかったんだね
時間を無駄にしただけ
若者文化?そんなものないぜ
仮面を貸してくれるだけ

ニヒロンでの旅
キリストの姿は見かけなかった

ファッション、それはバンパイア
おまえの背中に乗っかかる
流行廃れになり
棚で再流行になるまで待つ

奇抜なイメージを創ることが
必要なんだって暗示に掛けられる
一回り踊れば元の位置に戻る
欲望より一歩先

結局、何の教訓も学ばなかったんだね
せっかく正そうとした年月
約束というフラッシュは
ストロボより先に消えた

ニヒロンでの旅
キリストの姿は見かけなかった
posted by Miko at 14:39| ニューヨーク ☁| XTC - Black Sea (1980) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月11日

XTC - No Language in Our Lungs



僕らの肺には言葉がない
感情を伝えるための言葉がない
思考と言語との橋渡しがない
精神と言語のリンクがない
思った事を吐き出せない
僕らの肺には言葉がないから

僕らの舌には筋肉がない
心にあることを伝える筋肉がない
この世に残せるものは何もない
言葉を刻んだ墓石だけ
骨と化す前に話すチャンスもない
僕らの舌には筋肉がないから

言葉を自在に操り世界を制覇したと思った
言いたいことを思い通りに話せると思った
一瞬、その確信は剣に姿を変え
立ちはだかる悩みを片っ端から断ち切れたはずだった
十字軍のように勇敢で
ライオンハート、聖地の侵略軍のごとく怖いもの無しに思えた
ところが、現実は、誰一人として本当に言いたいことが言えない状態さ
僕自身、あの日いきなり口が利けなくなってしまった
だからこの曲も本当はインストルメンタルにするはずが
言葉が邪魔をしたんだよ…

僕らには言葉がない…

僕らの肺には言葉がない
心にあることを伝える言葉が
この世に残せるものは何もない
言葉を刻んだ墓石だけ
骨と化す前に話すチャンスもない
僕らの肺には言葉がないから...

アンディ: "The weird thing is that this is about the fallibility of language and that you can't say what you mean. Yet it was one of the few songs where I actually said what I wanted to say. I was really proud of the line, 'I would have made this instrumental but the words got in the way.' That's the essence of the song."
「おかしなことに、ここでは、言語の不確実さと、言いたいことを伝えられないことを歌っているのに、言いたいことを本当に言えた数少ない歌のうちのひとつなんです。'本当は、この曲をインスツルメンタルナンバーにしても良かったのだが言葉が邪魔をして出来なかった'という歌詞の部分を非常に誇りに思っています。ここがこの歌の真髄なんです。

Coat of Many Cupboardsの素晴らしいライナーノーツの著者 Harrison Sherwoodはこう語る "He's singing about singing, if you like - or singing about how useless it is to sing about anything but singing. There are no words that we can say, he tells us (using, uh, words), that can adequate express what's in our hearts. So there is no point in singing, is there? Ah, but he keeps singing anyway, doesn't he...(中略)This, he tells us, is the language that's in our lungs. We have metaphor. We have poetry. We have art. He would have made it instrumental...But-but-but-but-but..."
「言ってみれば、パートリッジは歌うことについて歌っている。または、歌うこと意外のことについて歌うことの無意味さを歌っている。彼は訴える、自分たちの心を満足に表現出来る言葉はない(と、言葉を使いながら)。だったら、歌うことに何か意味があるのか?うーん、それでも、パートリッジは歌い続けるんだよね。(中略)彼は更に続ける、これこそが皆の肺に存在する言語なんだと。それは、メタファーであったり、詩であったり、芸術であったりする。彼は、この歌をインスツルメンタルにしただろうに、でも、でも…」
posted by Miko at 08:42| ニューヨーク ☁| XTC - Black Sea (1980) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【過去翻訳記事】No Language in Our Lungs: "この曲をインストにするはずが言葉が邪魔をしたんだヨ…" アンディ・パートリッジが第四の壁をバリッと打ち破った瞬間

I thought I had the whole world in my mouth
言葉を自在に操り世界を制覇したと思った
I thought I could say what I wanted to say
言いたいことを思い通りに話せると思った
For a second that thought became a sword in my hand
一瞬、その確信は剣に姿を変え
I could slay any problem that would stand in my way
立ちはだかる悩みを片っ端から断ち切れたはずだった
I felt just like a crusader
十字軍のように勇敢で
Lionheart, a Holy Land invader
ライオンハート、聖地の侵略軍のごとく怖いもの無しに思えた
but nobody can say what they really mean to say and
ところが、現実は、誰一人として本当に言いたいことが言えない状態さ
the impotency of speech came up and hit me that day and
僕自身、あの日いきなり口が利けなくなってしまった
I would have made this instrumental
だからこの曲も本当はインストルメンタルにするはずが
but the words got in the way
こんな歌詞が頭に浮かんできてしまったんだ…


I would have made this instrumental but the words got in the way: 言うまでも無く、"made this instrumental"は(make+目的語+形容詞)の使役動詞を用いており、"would have made this song instrumental(この歌をインストにしたはず)"または"would have made this bridge instrumental(この大さびの部分をインストにしたはず)" の意味。 多くの(英語を解する)XTCファン(アンディ・パートリッジ崇拝者)がこのcleverな一節に決定的な衝撃を受けたと告白している。これで「ヤラレタ!」と。ここでは、彼独特の自己矛盾的、自嘲的ユーモアで「言葉が無いからインスツルメンタルナンバーにするはずが、今歌ってるこの歌詞が頭に浮かんでしまって、結局インスツルメンタルナンバーに出来なかったんだ」と私たち聴いている者に自白したのである。アンディ先生をこよなく尊敬する脚本家のキム・Jさんによると、アンディはいわゆる「第四の壁」たるものをとぼけたようなself-referenceで飄々と打ち破ったというのである。(第四の壁とは、演劇等の舞台上の虚構の世界とそれを見る観客のいる現実の世界を隔てる透明な壁。)

アンディ: "The weird thing is that this is about the fallibility of language and that you can't say what you mean. Yet it was one of the few songs where I actually said what I wanted to say. I was really proud of the line, 'I would have made this instrumental but the words got in the way.' That's the essence of the song."
「おかしなことに、ここでは、言語の不確実さと、言いたいことを伝えられないことを歌っているのに、言いたいことを本当に言えた数少ない歌のうちのひとつなんです。'本当は、この曲をインスツルメンタルナンバーにしても良かったのだが言葉が邪魔をして出来なかった'という歌詞の部分を非常に誇りに思っています。ここがこの歌の真髄なんです」

Coat of Many Cupboardsの素晴らしいライナーノーツの著者 Harrison Sherwoodはこう語る "He's singing about singing, if you like - or singing about how useless it is to sing about anything but singing. There are no words that we can say, he tells us (using, uh, words), that can adequate express what's in our hearts. So there is no point in singing, is there? Ah, but he keeps singing anyway, doesn't he...(中略)This, he tells us, is the language that's in our lungs. We have metaphor. We have poetry. We have art. He would have made it instrumental...But-but-but-but-but..."
「言ってみれば、パートリッジは歌うことについて歌っている。または、歌うこと意外のことについて歌うことの無意味さを歌っている。彼は訴える、自分たちの心を満足に表現出来る言葉はない(と、言葉を使いながら)。だったら、歌うことに何か意味があるのか?うーん、それでも、パートリッジは歌い続けるんだよね。(中略)彼は更に続ける、これこそが皆の肺に存在する言語なんだと。それは、メタファーであったり、詩であったり、芸術であったりする。彼は、この歌をインスツルメンタルにしただろうに、でも、でも…」

アンディ先生をこよなく尊敬する脚本家のキム・Jさん(kim-j-8472.livejournal.com):
"Notice the fourth-wall meta reference in the last two lines("I would have made this instrumental but the words got in the way"). He’s commenting on his own choice of lyrics in this section in a self-deprecating way. Among many other things, this clever song is one reason why I admire Andy Partridge, the composer.
「この最後の2行の第四の壁の自己言及だけど("I would have made this instrumental but the words got in the way")、彼は自分を嘲笑うかのようにこの大さびの部分に選んだ歌詞についてコメントしているのです。私が作曲家、アンディ・パートリッジを尊敬する理由はいろいろあるけど、この絶妙で気の効いたこの歌こそが大きな理由のひとつです」
posted by Miko at 08:39| ニューヨーク ☁| XTC - Black Sea (1980) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする