2018年01月20日

XTCファンクラブ設立当時からのスタッフジャスミンさん突撃インタビュー!「サイエンスフリクションを聴いて直感で「これだ!」と!!私の心をなごませ、心の支えとなってくれたバンド、XTCに本当に感謝しています!」

これまで、過去に、私のブログで、様々な方に⤵インタビューをさせていただきました。まだ未読の方は、こちらも合わせて読んでみてくださいね。

1. ユアサ シュウエイさん @syu_popguitar、http://long-live-xtc.seesaa.net/article/374119455.html
2. うずららいだーさん @uzurider、http://long-live-xtc.seesaa.net/article/367909710.html
3. 元XTCローディーで横浜三昧で一躍人気者になったスティーブウォーレンさん(英語・対訳)、http://long-live-xtc.seesaa.net/article/403545479.html
4. スウィンドンのアンディのお気に入りバンド、スーパースクウェアクラウド(英語・対訳)、 http://long-live-xtc.seesaa.net/article/382664221.html

(This Is Popの冒頭のギターの音で)ジャーン✨!!今回は、何を隠そう、ヨコハマXTC三昧イベントにXTCファンクラブ設立当時からのスタッフとして超貴重な品々をお持ちくださってファンの方々を狂喜させたジャスミン様、@jasmin_katzenさんに直撃インタビューをさせていただきました!!XTCファンの間では非常にレスペクトされていらっしゃるジャスミン様のXTCにまつわるお話を是非是非お聞きしたかったのです。XTCのファンクラブスタッフのエピソードや、XTCファンになられたきっかけ等、お話ししてくださいました。ジャスミン様、お忙しい中、本当にありがとうございました!

MIKO:ジャスミンさん、初めまして!よろしくお願いします!

JASMINさん:いつもお仕事など忙しい中翻訳ありがとうございます。

M: どう致しまして。これは、もう病気というか、中毒なんですよ。ふふふふ。
まずは、ジャスミンさんは、どうやって、XTCと出会ったのでしょうか?雑誌で知ったのでしょうか?それとも、ラジオ?

J:日本でデビューする半年位前、NHK・AMで大貫憲章さんのわかいこだま!と言う番組で今、Londonで流行っているNew wave特集をやっていました。The Jam、ストラングラーズetcの中にXTCのThis is Popが掛かっていたんです!

M:うわ〜。いきなり、This Is Pop! ですか!



J:はいっ!番組最後には、Science frictionが紹介されてました。

M:出た〜〜!!バリーの変態キーボード!



J:憲章さんもイチ押ししてました。

M:Scienceを聴いて、どんな印象を持たれました?

J:すぐに「これだ!!」と直感で好きになりました!!まだ、その瞬間のセンセーショナルな震えときたら…(笑)!鮮明に覚えてますよ。

M:印象的だったのは何でしょう?

J:バリーのKeyboardが生まれてこのかた聴いたこともないような独特の音で、その上、ソロはキレがあるし、テリーのdrumもティンパニー風で、アンディ のVocも何とも言えないような、妙な(笑)パワフルさがあって…全てが….もう、初めて聴く音だったんですよ。本当に一瞬で好きになって、そのまま、37年が経ちました(笑)。歳がバレるな(爆笑)!

M:Ssshhhhhhh!(シーッ!)(注:これは、アンディが良くツイッターでやるやつ)XTCを愛し続ける限り、私たちは永遠の少年少女ですよ(笑)!ねっ!

J:ありがとう〜(笑)。今も初期のXTCのカセットテープとか、どこかにありますよ。当時は、またラジオのNew Wave特集でXTCが登場するのではないかと常にアンテナ張ってましたね。FENとかは聴いなかった!そのうち、XTCの日本でのデビューが決定して、すぐ、近所のレコード屋へ走ったのよね〜。

M:期待にワクワク…。

J:レコードに針を下ろして「おお!スバラスィー!ぶりりあんと!!」な感想でした。Atom AgeのKeyboard ソロなんて、もう、本当に、本当に、本当に(笑)最高!!でも、デイブと交代してからのXTCも、もっちろん、大好きですよ〜!

M:人生で初めて好きになった洋楽は何でしたか?

J:The Monkeesです。

M:アンディも少年時代に大ファンだったんですよね。

J:小2の時の友達の兄がレコードで聞いていたのを一緒に聴いてました。なんて明るく陽気なんだろうって、テレビでドラマも放映していて、いつも観ていた!当時の日本の音楽は暗くて重苦しくて興味無し。ミッシェル ポルナレフが来日してはNHKで観てたりしてましたね。

M:フレンチポップですよね。XTCはスウィンドンポップ(笑)。

J:はい。本格的に洋楽を聴き始めたのは中学で、当時Queen派とBay city Rollers派に分かれていて、私はQueen派でした。今でも聴いてますが。その次はTales From…Topographic Oceanを聴いてからプログレも好きになりました。中2の時の友達で、お兄さんが好きだから聴きなさい!と無理矢理みたいに聴かされましたが…。

M:ハマってしまった?

J:そう(笑)!

M:XTC以外にニューウェイブとかは?

J:スミスが好き。テクノも聴きますよ。 アンディ のダブアルバム「Take Away」も好きですしね。

M:プログレが好きなXTCファンって結構多いんですよね。12枚のXTCのアルバムではどれを最も愛聴されてますか?

J:どれも好き。1番良く聴いたのはブラック シーか?イングリッシュ?ホワイト?1番がわからない〜(笑)。

M:確かに、全部良すぎて、真剣に悩んでしまうんですよ。ところで、当時、XTCの情報はどこで仕入れていたのですか?

J:XTCを初めて聴いてからずっと音楽雑誌など見て彼らの記事を探してました。

M:ツイッターなんて無かった時代ですよね。好きなバンドの動向を知るには、音楽雑誌に頼るしか無かった訳ですよね。今なんて、アンディ と直接、ツイートで「ねえ、次のサラウンドサウンドはいつ出るの?」とか、「〜の曲のコードを教えてよ」とか本人に直接聞いて情報をもらえてしまうんですからね。

M:ジャスミン様は日本の設立当時からのスタッフでいらっしゃったですよね。どういうキッカケで…?

J:音楽雑誌で「FCスタッフ募集」という広告を見つけ「ヤッター!」と大喜び!!その募集のもとに、集まったスタッフの人たちに初めて会って、ちょっと複雑な気持ちでした。でも、すぐに不安も吹き飛び…。当時、彼女らはまだ女子高生でした。

M:なんて若いスタッフ!!

J:もうピチピチでしたからね(笑)。まず、FCと言えば会報発行です!初回版は本格的に自分たちの趣味で作りました。私の愛するテリー様がどーん!と載りましたから(笑)!!

M:あはは!当時のレコード会社はビクターでしたか?

J:だと思う…。担当の佐藤さんの所に行き、情報や応募のプレゼントもらいに行きましたよ。いい人でした、今もXTCのこと好きかな?池袋のBig Boxでフイルムコンサート(注:PVやライブビデオをひたすら見まくるイベント)とか企画すると、佐藤さんが貴重なビデオを無償で貸してくれたり、協力してくれましたね。

M:設立スタッフとして、ご苦労が多かったのでは?

J:えー?苦労話はないですっ!会報の期限が迫ると誰かの家に集合して、皆で原稿書き!仕事後の打ち上げがまた格別だったですね。まだ若かったな〜(笑)。

M:なんだか、すっごく楽しそう!すると、XTCの最初で最後の来日には当然行かれたのですよね?良いな〜〜!

J: それがね….(しょんぼり)。

M:エッ...!(震え声)ま、ま、まさか、い、行かれなかったとか….!?

J:そうなんです!!

M:(絶句)....NOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!(注:これもアンディがツイッターで良くやるやつ)

J:知ってたんですよ。でもね、行かなかったの。もう、人生最大の失敗….。後悔しても、しきれないです。本当に。パンフは後で買いました、雑誌のプレゼントで何とサイン色紙が当たりましたけど!

M:羨ましいです。

J:テリー様も入っているプレミアの。当時の雑誌でも取り上げられ、持ってます!!以前、ヨコハマ三昧に「マイお宝大放出」してきました(爆笑)。MIKOさんにも見せたかったな〜。

M:見たかったです!シクシク。メンバーにお会いしたことはあるんですよね?もちろん?

J:はい!アンディ 、コリン、デイブ、そして、今回のスウィンドンでのコンベンションで、やっと、テリーにも会えました!!!嬉しかった!!

M:良かったですね!!

J:デイブは、マーチン ニューウエルのギターで来日されたので直接会話しました。やった〜(笑)!それはそれはジェントルマンでファンクラブの集団で押し掛けたにもかかわらず、1人1人に気を配ってくれて、全員揃って、益々ファンになりました。デイブがいうには、「僕は、日本人の礼儀正しさを見習いたいな」と言ってましたが、デイブの方こそ、礼儀正しく、人間としての温かみかありました。実直な方でした。

M:デイブは生粋の英国紳士ですね。きゃー、憧れる〜〜!!!アンディとコリンはどのように会われたのでしょう?

J:それがね、ロンドンに友達と遊びに行ってたスタッフの1人がアンディにコンタクトを取ったところ、なんと、日本のファンの為にインタビューのOKを出してくれたんです!

M:どこまでもファン思いの優しいアンディ。特に日本のファンに対する感謝の思いが強いですよね。以前、ヨコハマ三昧イベントでDomo Arigatoなんて題名の短い曲を日本のファンだけに!と贈ってくれましたよね。”日本の友達のみんな、長年僕らを応援してくれてありがとう。XTCはポップグループとしての使命を果たしたよ”なんてホロっと来る歌詞でした。

https://soundcloud.com/monacchi/domo-arigato-gozaimasu

J:本当にね。そのインタビューにサプライズのようにコリンとデイブも呼んでくれていました。アンディ は、この頃、まだ現役でそこそこ知名度あったのに、快く引き受けてくれました。

M:うわ〜!!それは!!すみません、つい、ヨダレが出ました(笑)。スゴイ!!!

J:アンディ 、コリン、デイブのインタビューは、会報の記事にしましたよ。その後、アルバム発売イベントで来日した時、タワレコでアンディとコリンに再会しました。

M:XTCを好きになられてから、かなり長い時が経っていますよね。途中で、飽きちゃったりしなかったのですか?

J:ファンを辞めたいなんて思った事は全く無いです。あり得ない!だって、アンディの魅力は無限大ですから!次は何が飛び出すか楽しみですからね。

M:ポップなびっくり箱-----それが、アンディ 。

J:そうそう。

M:もし、ジャスミンさんのXTCに対する願いをたった一つだけディアゴッドが叶えてやろうと仰ったら、何をお願いします?

J:おお、ディアゴッド様(笑)。当然、お願いは何と言ってもXTCのプロモ再来日!!ああ、お願い!2、3曲でいいので、彼らの生の演奏が聴きたいです。

M:デイブのギターソロで好きなソロは?テリーのドラムで好きな曲は?バリーのキーボードが特徴的な曲で好きなのは?

J:デイブのソロはBooks Are Burningの泣きギター。アンディとのすばらすぃ〜掛け合いです!

M:ああ〜!!!そ、それは!!Books Are Burningという曲名を聴くだけで、感動がこの胸にさざ波のように押し寄せて、脳内でわんわん大泣きする私ですから。

J:テリーはもちろんLiving Through Another…ですよ。バリーはShe's So Squareのソロはノリが最高。あと、Life Begins At…のDVDの皆様それぞれのダンス(テリー除く)最高。知っている方は、分かりますよね?あの冷静なデイブ兄さん(笑)も笑みを浮かべ楽しそうに。あの頃は若かった(しばし、遠い目)…。

M:ずばり、何故、私たちはXTCがこんなに好きなのでしょうか?

J:私が初めてXTCを聴いた時の、あの ”ビビッ"とカラダ中に何か電気の様なものが走り抜けていった感動は、今でも忘れることができません。XTCの曲を聴けば聴くほど新たな発見ができ、奥深さを感じもっともっと好きになります。

M:はい、はい、全くその通りです!

J:XTCは、本当に素晴らしいバンドです。XTC関連で生まれた友人、人間関係はとても大切にしています。本当に良い人ばかりで感謝しています。そして、最も感謝しているのは、私の人生を楽しくしてくれたXTCというバンドです。”XTCよ、本当にありがとう!!”です。う〜ん、上手く表現出来ないなあ…。「楽しい」だけでなく、もっと「深い」、もっと意味がある感じ。何だろう。うーん。難しい(笑)!!(しばし、沈黙)....。

M:やはり、表現するのが難しいですよね...。

J:わかった!一番感謝しているのは...私の心をなごませてくれ、心の支えになってくれたXTCに感謝しています、ですね。

M:最後に、ジャスミンさん、教えてください。アンディパートリッジは天才でしょうか?


J:アンディは天才です!!ただ時代が彼の先進性に着いて行けなかった。進み過ぎちゃった!先日、洋楽雑誌の方とお話ししてアンディなら来日少しすれば、仕事あるのに…と話してました。才能がもったいない…。

M:ジャスミン様、貴重なお話、本当にありがとうございました!💕
posted by Miko at 13:16| ニューヨーク ☁| インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月30日

XTC Black Seaリイシュー:ティアーズ・フォー・フィアーズ/ローランドのレビューその1 「レコード会社の者に我が英国の国宝の一人 アンディ・パートリッジは天才だと言われて感激した!」「リスペクタブルストリートからジェネラルアンドメジャーズに見事に切れ目なく移行する所はミュージシャンであれば誰もが実現したい夢」

ティアーズ・フォー・フィアーズ ローランド・オーザバル
「A. パートリッジとブラックシー:XTCの最新リイシューのレビュー」その1(長いので所々、省略して、話を短くまとめています。)

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http://www.superdeluxeedition.com/reviews/a-partridge-and-the-black-sea-roland-orzabal-reviews-xtcs-latest-reissue/

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「アンディパートリッジは天才だ!」

そう朗々と響く太い声の年季の入ったロシア語アクセントで、強調するように言ったのは、スーツ姿のチャーミングな青年だった。当時、90年代にイタリアのレコード会社に勤めていた。

「あなただって天才だ!」

よし、巻き戻そう。その時、彼は、段取りが全く出来てないティアーズ・フォー・フィアーズのイタリアプロモーションツアーに対して何度も僕らに謝っていて、そのついでに僕に放ったそのお世辞を鵜呑みにはしなかった。

だが、「アンディ・パートリッジは天才だ!」と、我が国の国宝の一人についてそこまで強く思ってくれていたなんて感激した。ミッシェルの口からこの言葉がこぼれ落ちるのをみんなに聞かせてあげたかったな。

皆が知らなかった3つの事実:かなり関係者がダブっているのに、XTCのメンバーには一度もお目にかかったことがない:ヒューパグナム、ブラックシーのエンジニア、フィルコリンズのアルバムのドラムの録音もエンジニアリングしてる。あとは、ブラックシーをプロデュースしたスティーブリリーホワイト。ピンポンのプロ。

とにかく..このアルバムを数年ぶりに聞く時に問題となったのは、既に(トラック1)のリスペクタブルストリートが脳内にこびりついてしまっていることだった。どうやっても取り除くことが出来なくて。それで、脳内では、このトラックが再生し終わると即時に次の曲(tラック2)ジェネラルアンドメージャーズに切れ目なくなだれ込むわけ。これは素晴らしいセグエであり、我々、ミュージシャンがライブとレコードのプログラミングで実現できたら良いなあと夢見るやつだ。この2曲を聴いていると、なぜ自分がブラックシーをこれまでで最も好きなアルバムの一枚であるのかを思い出す。

だが、念のため行っておくが、このアルバムで最も好きな曲は、今までずっと好きな曲でもあるが、 No Langauge In Our Lungsだ。19歳の時に、この曲が僕の琴線に触れて、心底、揺さぶられた。

僕たちの肺には言語はない
この世に自分たちの気持ちを伝えるための…



ここでThe Hurtingを掛けて。

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1980年にリリースされたときにビニール版のブラックシーを買った。(省略)アルバム Drums And WiresからのMaking Plans for Nigelsは、不気味で、奇異で、社会的な主張の歌だった。ロックバンドをやってみたいと夢見ていた僕らをハッと注目させて、XTCってどういうバンドなんだと思わせ、次にどんな音楽を出すのか期待させた。(省略)

この続きは明日:

posted by Miko at 13:23| ニューヨーク ☀| XTC - Black Sea (1980) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月26日

テリー・チャンバース XTC ブラック・シーのライナーノーツの訳 ”連日のライブでXTCの腕は磨かれ優れたバンドになっていた。ブラックシーは殆どの曲をレコーディングする前に観客の前でプレイした結果、XTCというライブマシーンを的確に表すアルバムになった”

テリー・チャンバース XTC ブラック・シーのライナーノーツの訳:

”このアルバムをレコーディングした当時は、XTCはバンドの本領をフルに発揮していた頃。優れた数々の曲、観客は増え続け、僕らは少しずつ評価され始めていた”

”連日のライブでXTCの腕は磨かれ優れたバンドになっていた。ブラックシーは殆どの曲をレコーディングする前に観客の前でプレイした結果、XTCというライブマシーンを的確に表すアルバムになった”


私を含む多くのXTCファンの待望のBlack Seaの5.1版がリリースされた!サラウンドサウンドの天才スティーヴン・ウィルソンの魔術により、リミックス(リマスターではありません!)され、今月、CD&Blu-ray版で発売。

Black Sea https://burningshed.com/xtc_black-sea_cd-blu-ray#.WhprYimUMII.twitter



テリー・チャンバースには、アンディのような知的な語呂合わせ、ハッとさせられる斬新な表現や、思わずと膝を打つようなメタファーも出てこないし、デイブのように日記と記憶の力による仕様機材名や何月何日何曜日の何時に何が起こったのかを克明に記せるようなスキルがあるわけでもなく、はっきり言って文章力は無いです。無骨なところが、テリーらしくて好感持てるなあ。

Terry Chambersのライナーノーツ:

「このライナーノーツは、ブラックシーのレコーディングの思い出を要約したものであるべきなのだが、実は、そのセッションについてあまり何も覚えていないと認めるところから書き出さないといけない!
それ自体、別に悪いことではない。正直、事件と言えるようなこともなかったし。自分的には、一切問題なしのセッションだった。だから、やはり、良いセッションであったと言えるだろう。

通常、僕は何か嫌な思いをしたら覚えているので、このセッションについて、あまり記憶がないのは、何も問題もなくスムーズに行ったからに違いがない。このセッション中の嫌な日など全く思い起こせない。

デイブはドラムスアンドワイヤーズをレコーディングする直前に加入した。そのセッションを終えた彼はこのブラックシーでレコーディングに馴染み始めた。XTCはバンドの本領を存分に発揮していた。曲は優れていたし、観客のサイズは日に日に大きくなり、僕らは以前に比べ少しずつ評価され始めていた。ライブ時代、バンドが力をフルに発揮した時だった。

振り返ると、なんて言う快挙だったんだろうと気づく。あんな短い間にあれだけのことを全部やり遂げてしまうなんて。当時はどれほど凄いことなのかあまり自覚してはなかったが。あの頃は、そう言うことをするのが、全て当たり前のことだと思っていて、(難しそうなことでもいとも簡単に)”よし、やってやろう” みたいな。でも、今思えば、結構、凄ワザだった。あれだけのバンド活動の全てをやり遂げられたなんてね。アンディとコリンは、バンドの’原料’ である曲の提供もしながらやりこなしたのだから。

あの頃は、ライブの連続の上、作曲、リハーサル、レコーディングや、インタビューのプレッシャー、そして世界ツアー。僕らは永遠に止まらぬ運動を強いられていた!おかげでバンドは鍛えられたが、時には、心身ともに完全に休ませないといけないはずだ。どんなスポーツにも必ずオフシーズンが設定されているのにはちゃんと理由がある。

ところがミュージシャンにはオフシーズンなど皆無。365日出勤の仕事。家族と一緒にリラックスするため、週末に仕事を休むなんてこともできない。そんなこと関係ない、一年中見られる町のサーカスなんだから。

でも、当時の僕らにはそれがわからなかった。わかっていたのは、全ての活動、全てのライブをやりこなし、その結果、XTCは腕が磨かれ、優れたバンドになって行ったと言うこと。あの時代は、レコーディングが上手いバンドというのは真に労働していたバンド、つまり、ライブバンドだった。僕らはそのモデルに従った。このアルバムの曲の多くはレコーディングする前に観客の前でプレイした。その結果、ブラックシーはXTCというライブマシーンを表すのに最も適したアルバムになったのではないか。
(中略)
ドラムスアンドワイヤーズの時とおなじく、ブラックシーもタウンハウスでレコーディングされた。僕の24インチキックドラム付きのタマドラムは既にデカいサウンドだったが、あの素晴らしいストーン・ルームで叩くとそれに輪をかけてデカいサウンドになった。それにロートタム、エフェクト用にスナイパードラムシンセ、それら全部をヒューのずば抜けたエンジニアリングで合わせれば、スティーブ・リリーホワイトの”ワイド・スクリーム・プロダクション”を支える土台が出来上がり。

このアルバムのレコーディングでは、ドラムトラックを最初に録音することになっていた。その後に、各メンバーは自分の楽器でそのドラムトラックに合わせて演奏した。そのテイクを使えれば、言うことなしだった。もし、使えなければ、各々自分たちのパートを録音した。結局、あいつらに言うわけ”これ以上良いテイクは出来ないぞ!” そうなると、そのテイクを使う、あるいは次の日に再度トライするわけ。ドラムのトラックを録ると、いつもちょっとホッとしたものだった。プレッシャーが無くなったわけだから。

それでも、出来上がった作品を聴けば、頑張った甲斐はあった。ブラックシーには、好きになる理由が山ほどある。XTCのお気に入りの曲の数曲が収録されている。好きなトップ3は、ロケット・フロム・ア・ボトル、ノー・ランゲージ・イン・アワ・ラングス、バーニング・ウィズ・オプ・ティミズムズ・フレームス。リヴィング・スルー・アナザー・キューバも素晴らしい曲だが、ライブで演奏すると更に優れた曲となっていた。アルバムからのシングルを含むと、好きな曲は更に増える:ジェネラルズ・アンド・メジャーズ、サージェント・ロック、タワーズ・オブ・ロンドン。

僕の在籍中にXTCが作ったアルバムでもブラック・シーがベストではないかと皆は言う。多分、そうだろう。一つだけわかっているのは、このアルバムを作るのは最高に楽しかったと言う事。本当にクレージーだったし、必死に頑張ったけど、多くの楽しい思い出が出来た。それだけの価値はあった」
posted by Miko at 16:59| ニューヨーク ☁| XTC - Black Sea (1980) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする